工務店、建設会社、リフォーム会社で働く方や、管理責任者、電気関係を扱う方々は、危険物を取り扱う点について資格や講習を受けておくのが大事です。危険物は少し取扱いを間違うことで、命の危機や周りにトラブルが引き起こされる可能性があります。特に、責任者の方は様々な物事を決定する立場にあるため、受講を積極的に受けておくのがおすすめです。講義にも、いろいろな種類がありますが「工作物石綿事前調査者講習」を受けてみるのもおすすめです。内容について紹介します。

工作物石綿事前調査者講習の必要性とは?

工作物石綿事前調査者講習は、アスベスト作業に関係する業者や職種の方は受講しておくのがおすすめです。前向きに受講を考えるためにも必要性について把握しておくのは大事です。以下の理由があるのでチェックしておきましょう。

令和8年から必須となる資格

工作物の石綿有無の事前調査については、有資格者による調査が令和8年1月から義務付けられればになりました。これは、アスベストが使用されている可能性がある特定工作物の内、ある建築物だと構造や石綿含有材料が異なります。

アスベスト自体有害な物資があるとされており、粉塵を吸い込んでしまうと肺がんリスクの可能性が上昇するなど、健康面で多大な被害を被る可能性があります。

そのため、専門知識がない職人がアスベスト関連の作業をすると、粉塵が飛散してしまい、職人だけでなく、近隣の住民にも大きな被害が出る可能性があるため注意しなくてはいけません。大きなトラブルを未然に防ぐためにも、工作物石綿事前調査者講習を受講しておくと必要な知識を得られるでしょう。

安全性を確保するため

アスベストは上記でも少し紹介していますが、粉塵を吸い込むと人体に悪影響が出ます。今の建築物にはアスベストが含まれている工作物はありませんが、古い建造物などには含まれているものもあり、解体やリフォームするときにアスベストを吸引する可能性があります。

調査する段階でも専門の知識がないと安全に作業する点で判断が難しいケースもあり、衛生管理者や責任者の方は特に必要な点です。安全性を確保するためにも工作物石綿事前調査者講習を受けるようにしてみましょう。

工作物石綿事前調査者講習の受講義務について

工作物石綿事前調査者講習の受講義務についても、把握しておく必要があります。資格として取得を検討できますが、誰もが受講できるわけでもありません。どのようなポイントを押さえておくべきなのか内容を紹介しましょう。

受講資格のある人

工作物石綿事前調査者講習は、誰もが受けられるわけではなく条件が指定されています。建築物石綿含有建材調査者講習登録規定の第16条の6という分野で以下のように定められています。

・石綿作業主任者技能講習修了者・大学で工学に関する過程を修めて卒業した後に2年以上の工作物に関する実務経験がある方
・短大で工学に関する課程を修めて卒業した後に3年以上の工作物に関する実務経験がある方
・高等学校または中等教育学校において工学に関する課程を修めて卒業した後に7年以上の工作物に関する実務経験がある方
・工作物に関して11年以上の実務経験を有する方
・建築行政または環境行政に関して実務経験2年以上の方
・特定化学物質等作業主任者技能講習を修了した者で工作物石綿事前調査に関して実務経験が5年以上ある方

それぞれの条件に当てはまる方のみが受講可能です。受講資格のある方はアスベストへの調査を行えるように事前に内容を確認して手続きを進められるようにしましょう。

工作物石綿事前調査者講習と他の資格との違い

工作物石綿事前調査者講習は他の資格と異なる点もあります。特に、建築物石綿含有建材調査者講習との違いについて、把握したい方もいるはずです。まず工作物石綿事前調査者講習とは、上記の通り工作物における石綿事前調査を行う資格を取得するのに必要です。

一方、建築物石綿含有建材調査者講習は建物を改築、解体する際に石綿が含まれているどうか事前に調査するのに必要な資格なので、作業が少し異なります。講習は一般と特定、戸建ての3種類に分けられています。一般と特定は石綿含有の調査が行えますが、戸建ての場合は住宅や共同住宅の内部に限って調査を行えるようになっており、制限がかかります。

また、工作物石綿事前調査者講習と大きく異なるのは、受講条件が有資格者に限定されている点です。このような違いを把握して受講するようにしてください。

まとめ

工作物石綿事前調査者講習は、令和8年までに受講して資格を取得しておく必要があります。今後責任者として働く方は特に必要になるため、今から受講する準備を始めるようにしておきましょう。